梅雨明けの蒸し暑い午後。日差しが差し込むリビングで、アヤコは息子のケンに絵本を読み聞かせていた。彼女の胸元には、淡い水色のカップ付きキャミソール。妊娠・出産を経て豊かに育った胸が、呼吸に合わせてわずかに揺れる。
「アヤコさん、こんにちは」
その時、玄関のインターホンが鳴った。ドアを開けると、そこに立っていたのはタカシのパパ、トモヤだった。背が高く、しっかりと鍛えられた腕。汗に濡れたシャツが筋肉質な体つきを際立たせている。
「タカシがゲーム機を忘れていったみたいで」
「あ、ありがとうございます。どうぞ、中へ」
思わず彼を招き入れてしまったアヤコ。夫は仕事で帰りは遅い。子供たちは、隣の部屋で遊んでいる。
ソファに腰掛けたトモヤの隣に座ると、ふと彼の視線を感じた。アヤコの胸元に吸い寄せられるような視線。
「……授乳中?」
唐突な問いかけに、アヤコの心臓が跳ね上がる。
「えっ……? どうして?」
「いや、胸が……すごく大きいから。それに……なんだか甘い匂いがする」
言われてみれば、確かに彼の隣に座った瞬間、熱い視線を感じた。トモヤの目は、彼女の胸元へと釘付けになっている。
「……出るの、まだ」
恥ずかしそうにアヤコは呟く。すると、トモヤはゆっくりと手を伸ばし、キャミソールの肩紐をスルリと指で下げた。
「えっ、ダメ……」
かすれた声が漏れるが、抵抗はできなかった。
「試してみてもいい?」
囁くような声。アヤコの体が熱くなった。彼女の理性は「ダメ」と叫んでいたが、体はすでに期待に震えている。
そっと彼の唇が近づき、柔らかい乳房を包み込むように吸い上げた。
「んっ……」
温かく、じんわりとした快感が全身に広がる。母乳がじわりとにじみ出し、トモヤの口内へと流れ込んだ。
「甘い……」
満足そうな表情で舐めとるトモヤ。吸われるたびに、アヤコの身体はビクビクと反応する。
「こんなに気持ちよくなるなんて……」
彼女の声は甘く震えていた。
それから、ふたりは禁断の関係に溺れていく。週に何度も、子供たちが学校へ行っている昼下がりに密会し、母乳を吸わせ、何度も身体を重ねた。
しかし、そんな日々は長くは続かなかった。
ある日、突然の訪問者。
ドアを開けると、そこにはトモヤの妻が立っていた。
「あなた、何をしてるの?」
冷たい視線。問い詰めるような口調。アヤコは言葉を失い、全身が凍りついた。
「……あなたのこと、前から怪しいと思ってたのよ」
全てがバレていた。アヤコの幸せだった家庭は、音を立てて崩れていく。
夫に知られ、家族を失い、アヤコは全てを失った。
最後に一人、薄暗い部屋で涙を流しながら、自らの胸をそっと押さえた。
そこには、もう誰も吸ってくれる人はいない。
――ただ、白濁の液体だけが滲んでいた。
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